【感想&レビュー】「ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者」(リメイク版)~元祖名作ミステリーのリメイクは正解だったのか?~(ネタバレなし)

【感想&レビュー】「ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者」(リメイク版)~元祖名作ミステリーのリメイクは正解だったのか?~(ネタバレなし)

今回紹介するのは2023年末から2024年始にかけて遊んだ1作「ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者(リメイク版)」です。

以下、本作のSwitch版のスクリーンショットを掲載しています。ストーリーにおける核心的なネタバレを行っていませんが、スクリーンショットで読み取れる情報も多いかと思います。未プレイの方は閲覧の判断に十分ご注意ください。

目次

「ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者(リメイク版)」とは…?

今回遊んだ「ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者(リメイク版)」は、2021年5月に「任天堂」から発売されたコマンド選択式推理アドベンチャーゲーム。

2024年現在遊べる機種は、Nintendo Switchのみとなっています。

「ファミコン」、「探偵(倶楽部)」となんだかレトロ味がありワクワクしちゃうようなタイトルですが、それもそのはずリメイクの元となったオリジナル版(原作)は、30年以上前(1988年)にファミリーコンピュータに機器を拡張して遊べるディスクシステム用の1作として販売されたものです。

筆者はファミコン世代ではなく存じ上げなかったのですが、各ゲームは黄色いフロッピー(のようなもの)に収録されており、本作は前後編の2枚組となっていました。2004年には「ファミコンミニディスクシステムセレクション」としてゲームボーイアドバンスに移植されています。

CEROは15歳以上対象の[C]。オリジナル版の[A](全年齢対象)から2段階上がっていますが、これはリメイク化に伴うドット絵からイラストへ表現が変わったことでの描写の鮮明さが理由であると思われます。

筆者は本作自体が完全なる初プレイ(オリジナル版未プレイ)で、今回ネタバレも仕入れずにまっさらな知識のまま遊びました。これによって新作同様の感想…リメイクされたという思い入れがない/汲み取れないといったオリジナル版を愛する方々には鼻に付くお門違いな感想を述べる可能性がありますが、それも初見プレイヤーの戯言として楽しんでもらえればと思います。

ちなみに今回縁あって、パッケージ版を手に入れました(こちら生産数が少ないからなのか?プレミア価格化しかけております)。

さらに本作(リメイク版)をクリア後にオリジナル版のプレイ動画を見たため、両者を比較の点では確認済みです。

ネットの世界では当たり前のように、真相/犯人/主人公の記憶の謎が明かされているものが多いため本作を遊んだことがない人はネタバレを踏まないようにご注意ください。当ブログでもネタバレは行っていませんが、初見の衝撃は本作を遊ぶことで味わってください!

あらすじ

ある夜、崖の下で倒れていた主人公(名前はプレイヤーで指定)は、天地と名乗る男に助け出され、彼が問いかける声で目を覚ます。

「ぼ、僕は誰だ・・・・・・ 
 な、何も思い出せない・・・・・・」

主人公は崖から落ちた衝撃で自身に関わる記憶の全てを失っていた…。

自分のこと、なぜここにいたのか、何をしていたのか、何一つ思い出せない主人公が情報を求め翌日再び崖へ向かうと、主人公が帰らないことを心配した彼の同僚だと名乗る橘あゆみと再会する。

彼女からの情報では、自身が「空木(うつぎ)探偵事務所」の探偵助手を生業としており、とある事件の調査中であったという…。

そんな調査中の事件とは…この崖の地でもある「明神村」の財閥一家である「綾城家」で起こった当主の不審死。

主人公は”死人蘇り伝説”が今なお語り継がれる地で、失われた自身の記憶を取り戻しながら、事件の真相へと近づいていく…。

「ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者(リメイク版)」の感想

システム

本作はシンプルなシステムで、《コマンド選択による会話》《気になる場所のクリックによる調査》となっています。

物語の進行(正しい選択)は1本道で、ゲームオーバーやバットエンドもありませんが、プレイヤー主導の捜査/操作は探偵という立ち位置を印象付け、時に文字の入力を要求される推理があったりと、たとえそれが結果的にコマンド総叩きになってしまったとしても(人によるとは思いますが)楽しめる要素は準備されています。

基本は読み物として楽しむという割合が強い作品になりますが、それは作品紹介から読み取れるものなので、好んで購入した方は思った通りのシステムが用意されているとも言えます(逆に思っていたのと違うという感想はお門違いといえるレベルです)。

セーブスロットは3個(+1個オート)と少な目で、章ごとのチャプターもなしと、見たい(見直したい)場面に行きづらい/セーブを残しずらいのはちょっと残念な点としておきます。

もう1点あえて言うと捜査情報/聞き取りなどで更新されていく人物紹介(状況まとめ)が一度に3行しか表示されない点も個人的には(終盤は確認する量が増えていって)ちょっとめんどくさいなと…感じました(言いたいだけレベル)。

完成度の高いシナリオ

では早速本編の感想ですが、個人的に一番に伝えたいのは『シナリオが良かった!』ということ。

詳しく話をしていくと本作の面白さは開始時点の主人公の状況を生かした展開にあります。

①:記憶を失っている
  ⇒記憶を取り戻していく

②:依頼を受けた事件の調査中だった
  ⇒事件を迫う/紐解いていく

これらが徐々に進展をみせ、くっきりはっきり重なった先に(思いもよらない)真相が隠されているというストーリーそのものの完成度の高さ、面白さはもちろんのこと、特にその転換のタイミングや魅せ方といった演出面が秀逸でした。

「消えた後継者」というタイトルも真相に辿り着いてこそ、その絶妙さを知ることになります。

たった一度だけ味わえる初見の特権…どんでんがえしの衝撃、ちょっと切ないけどじわりと染みるエンディング、情報を仕入れず、本作にて堪能して欲しいと願うばかりです。

もちろんちょっと引っ掛かりを見せる要素…発売された時代やドット絵だったから受け入れられたというご都合主義はあり、たとえば少年探偵というコンセプト通りに17歳の主人公が既に探偵として1人前に機能していること(偉い人と対等に会話が成り立つこと)、現場をうろつくこと/鑑識から単独捜査の許可が下りるなど、むしろその現実でのありえなさ/圧倒的ドラマ風味/ゲームだからこその設定を味わうべきとも言えるレベルです。

特に【典型的なドラマもの】といった舞台設定…財閥一家、遺産相続問題、死者の呪いの言い伝え(オカルト)、次々に消される関係者などなど、そもそも本作が生みの親か?と言いたくなるほどのベタ要素が集まっています。

ただこの取ってつけたような要素をかき集めていながらの導入、展開、オチ、いずれの演出も完成度が高く、筆者は(ちょっと舐めていたというのはありますが)衝撃を受け、唸るほど面白かったということだけは伝えたいです。

推理物の基本構造が「”たくさん”のかけら(ヒント)を集める⇒答え(真相)に繋がる」だとすれば、本作は逆説的で「答え(真相)が明かされる⇒ここまでの”すこし”のかけら(ヒント)の裏付けが取れる」という筆者が今までに味わったことがない一気に距離が縮まる展開に新鮮味があったというのが一番印象的でした。

もう1点良さを感じたのは、「会話や調査などコマンドを選ぶ前(後)に鳴る効果音」によるインパクトの付け方。

主人公/プレイヤーが取る行動や選択(会話の内容など)が重要であることを音で知らせてくれます。

この時に「いかにも!」な効果音が鳴ることで、操作の面では単調な繰り返しの動作であり、主人公の行動の中で埋もれそうなキーワードを拾い、ひらめきや衝撃に置き換えることで、主人公とプレイヤーの一体感を保っていたと思います。

BGMも耳になじむものが多く、1番聞いたであろう「聞き込み/ききこみ」、哀愁漂う「エンディング」が特にお気に入りです。ただ個人的には、のちに聞いた3和音?4和音?のオリジナル版(原作)の方が好きだったりします。

次ページ:リメイクについて語る

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