いかなるコンシューマー機でも登場するゲームの王道ジャンルといえばテーブルゲーム、そして麻雀。今回はそんな麻雀ゲームにしては(少し)珍しい(?)GBA(ゲームボーイアドバンス)で発売された、1作を紹介します。
「麻雀刑事 MAHJONG POLICE」とは…?
「麻雀刑事 MAHJONG POLICE」は2001年に(今は亡き)ハドソンから発売された、タイトル通りの麻雀ゲームです。ちなみにゲームボーイアドバンスの麻雀ゲームの中では一番初めに発売されたものだとか。
麻雀ゲームといえば、(筆者のイメージでは)大きく2分されていて、①:ドシンプルに麻雀だけをやる安価ものと、②:お色気系のご褒美があるもの[i]脱衣麻雀かなと。他にもあるとは思いますが基本的には上記のものが圧倒的に多い印象です(あとはキャラものですかね)。
そんな中で本作はそのどちらでもなく、刑事として”麻雀対戦をやること”で、事件の 犯人に迫る(特徴を手に入れる、推理をする、自白させる)という、結局常識は逸脱していますが(一応)ストーリーと明確な目的(ゴール)がある、麻雀ゲームとしては中々珍しい作品だと思います。
今回はこのアドベンチャー要素のある「ストーリー対局」を遊んだ感想になります。
ちなみにゲーム自体は対局だけに没頭できる「フリー対局」や「サバイバル対局」など王道モードももちろんあります。
ストーリー?なのか?
日本で唯一麻雀による捜査をおこなう、ハチ曲署・麻雀特捜課に配属された新人刑事である主人公(名前は自分で設定)。全国各地で起こる事件を麻雀で捜査&解決し、その名を轟かせ、日本一の麻雀刑事になる!というのがゲームの目的です。
まずは配属早々、ボスにカッコイイ?あだ名をつけていただきます!(名前入力とは?)ニックネームははちゃめちゃに多く、バラエティに富んでいます。ルーレット式のため気に食わなければ何度でも選び直し可能。
筆者は初めにいただいた「ドーナツ」として生きていくことになりました。ストーリー内ではみんなこのニックネームの方で呼んでくれます(ニックネームでしか呼んでくれません)。
なんか見たこと、聞いたことあるような…?
本編開始の前に捜査課の仲間にご挨拶。
うん…。あれとか、これとか、それとか(多数作品)、ここまでに言いたいことがたくさんあるのは分かります。筆者の世代じゃないものでも、見たことあるような、聞いたことあるような、なんかどっかで感が凄まじいのよ(笑)
そもそもタイトルロゴの時点でそれっぽさ。が全面に出ていて、わざわざ言わなくても今作のスタンスはすでに伝わってるとは思います。
まぁ天下のハドソンが出したソフトですし、パチモン的心配には及ばないと思いますけども。逆に刑事(警察)作品ものをわんさか取り入れて、絶妙にそれっぽくしてる、匂わせてる感じがむしろグッと来たりしませんか?(笑)
ゲームの流れ
ストーリーは1話完結、期間制限(ゲームオーバー)あり。
対局は4人打ちで、1日1対局、7日目までに犯人に繋がるヒントを麻雀勝負のノルマを達成することによって入手し、それをもとに消去法で犯人を特定していきます。
期限に間に合わないと迷宮入り(ゲームオーバー)。対局する相手がヒント(提供者)によって変わるものの、サイクルや流れは毎回だいたい共通しています。
1日目:事件発生 / 婦警トリオと対局
2日目:鑑識からヒント (対局)
3日目:目撃者からヒント (対局)
4日目:マスターからヒント (対局)
5日目:犯人特定・取り調べ (対局)
*対局でノルマを達成できないと翌日に持ち越し。
7日目までにヒントを取得、犯人を特定
ノルマ/ヒントの入手
「ストーリーモード」では対局難易度の設定はありません。アイテムやイカサマもなしの真剣勝負です。
さらに各対局で提示されるノルマは毎回異なっており、トップを取る、ラスを取らないという順位制限から、対局中に指定された役であがるなど、多彩な条件が都度提示されます。
順位条件はさておき、役については説明等一切なくただ文字で提示されるので、ゲーム自体は麻雀初心者向けではない印象を受けました。
ちなみにノルマだけ見ると難しく感じるものも多いのですが、対局都度設定されるルール(ローカルルール)でなんとなくですが、役が作りやすく(ノルマ達成しやすく)なっているような感覚がありました。
例えば満貫条件の時は赤ドラまみれルールだったりします。
対局終了後、条件を満たしていると犯人に繋がるヒントを手に入れます。
すなわち、ノルマ=犯人に繋がるヒントなので、例えば指定された役を対局内で1度でも達成すれば、たとえ順位がビリであろうともヒントを入手、捜査を進めることが出来ます(クリア扱いです)。
捜査/犯人特定
対局(ノルマ達成)でヒントを集めて聞込みメモを埋めていきます。
ヒントによって最後に犯人を特定(ヒントが集まっていれば特定は容易)。最後の自供まで対局が絡んできますが(笑)、そこで晴れて犯人逮捕となります。
基本ベースは麻雀ゲームであることに変わりはありませんが、麻雀のルールやノルマとアドベンチャー(刑事もの)要素がストーリーを介してうまく融合していて、目標やゲーム性によって独特の面白さが生まれています。
麻雀好きの人が遊ぶ上でも、役を意識するという点(制限プレイ)などは新鮮味があるかと。
ビジュアルもバリエーション豊富&しっかり安定しており、アドバンスのゲームとしての完成度の高さを感じます。
ゲームは未クリア(2話までだいたい2時間程度のプレイ)ですが、伝説度を見るとまだまだ駆け出し。長く遊べそうな1作です。
おわりに
筆者の麻雀力はメディアでプロの対局を見て役をなんとなく覚えた程度の観戦オンリー族です(ちなみに女流モンド杯がきっかけでした)。麻雀は敷居が高そうなイメージを持たれがちですが(実際筆者もそう思ってましたが)、こうやって観戦族がゲームをプレイ出来る程度にはルールも意外と難しくなく気軽に遊べます。ドンジャラが分かるんならイケます!(笑)
昨今は麻雀プロリーグ「Mリーグ」の設立により、さらに身近な存在になりつつある印象の麻雀競技。ゲームで遊ぶ分には各コンシューマ作品も多く、人を集める&集まる必要もないため(笑)、暇つぶしにもおすすめです!
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