もう数か月前になりますが…「ファミコン探偵倶楽部 うしろに立つ少女」を遊びました。
前作「消えた後継者」の感想でオリジナル版とリメイク版の比較や、システム面などなど大体のことを語った満足感で「うしろに立つ少女」の感想はスルーしていました。
しかし!ここに来てまさかの続編(完全新作)となる「笑み男」の発売!!!(もちろん購入済)
それならば(どうせだし)…「うしろに立つ少女」もサクッと語って(紹介して)おきたいと思い立ち、キーボードを叩いています。
今回も「消えた後継者」同様、初見者の感想記事になります。
基本のシステムなど大まかな点は「消えた後継者」と同様であり、そちらで語っているため今回は略(必読ではないですがこちらの記事もぜひに!)。
★先に遊んだ「消えた後継者」の初見者感想記事(↓)
「ファミコン探偵倶楽部 うしろに立つ少女」(リメイク版)とは…?
オリジナル版(原作)は1989年に発売されている本作。
ちなみに「うしろに立つ少女」だけ、発売から9年後の1998年にスーパーファミコン版として1度リメイクされた過去があります(「ファミ探」10周年記念作品)。
すなわち今回は2度目のリメイク版とも呼べるのですが、ベースはこのオリジナル版に一部手が加えられた、スーパーファミコン版(リメイク版1作目)が採用されているそうです。
今作の時間軸は(発売順で)1作目の「消えた後継者」(1988年発売)の前日譚。
物語世界は2年前に遡っており、主人公は15歳。
「消えた後継者」よりも過去に遡ったエピソードというところで、主人公が探偵助手になった経緯(私立探偵の空木俊介の出会い)、ヒロイン(ポジション)の橘あゆみとの接点となる事件を描いています。
そんな本作はいわゆる「学園モノ」。
「ある女子高生の死」と、「被害者が通っていた高校で語り継がれている噂(怪談)」、さらに「15年前に起きた未解決事件」の3つの出来事が交わる物語。
学校を舞台に繰り広げられる各々のパズルのピースを探し、調べ、紐解き、繋ぎ合わせいく(順に追っていく)王道展開と言ってしまっても良いでしょう。
(当時からしても)扱っているネタは結構ベタな印象ではありますが、この分かりやすさこそが本シリーズの魅力のひとつでもあると筆者は思っています。
前作「消えた後継者」とはまた違ったストーリー(世界感)をおなじみのキャラクター、システムはそのままに楽しめるおいしさ。
空木所長のお仕事ぶりや、あゆみちゃんのヒロイン度合を感じることが出来る、1作目あってこその作品とも言えます。
「ファミコン探偵倶楽部」を2作遊んで感じたこと
まず「ファミコン探偵倶楽部」の良さとして筆者が語りたいのは、ドラマテイストな要点の扱いとその描写が丁寧であるということ。
違和感の生かし方、説明(謎解き)のぬかりのなさを感じます。
これは大小さまざまな事象に対して「あれはなんだったのだろう?」と残置されていることがなく、エンディングを迎え振り返った時に、すべてに意味があったと言えるのです。
ゲーム進行中は親切すぎるくらいに「今はこの件を追っている」「あれについて聞いておく」「あの時のことがここに繋がった」とプレイヤーの視点が重視されているように思います。
なにより前作同様に、ラストのどんでん返し(衝撃の真実)が圧巻。再三登場させてしまう浅い言葉ですが「良く出来ている」という感想はブレないです。サブタイトルの重み、深みをここまで感じられるシリーズは中々ないと思います。
個人的にはやたらに怪しい人物がいたり、エピソードで匂わせたり、プレイヤーへの印象操作によるミスリード狙いの濃度が高いように感じつつ、「ここまで匂わせるってことは怪しませてのさらにその逆??」と余計に神経を研ぎ澄ませることになったり(笑)これはこれでというか、いずれにしても楽しめました。
ただ本作の物語に関して言えば、前作よりも「成り行きで進んでいる」感覚があり、ぶっちゃけ「主人公って必要か?」程度の立ち位置であったり、「あゆみちゃん邪魔してない?」と苦笑いな部分も少なからずあったり…(笑)
しかし「誰の視点でこのお話を楽しむのが最善」かと問われるならば、最後は「やっぱりそれは主人公だよな」と思えるものでした。
本作やリメイク版をどうとらえるか…
結局のところ「消えた後継者」にて17歳でも違和感を感じた主人公の探偵(助手)という都合の良い立ち位置は年齢が若くなったことでさらに鼻に付くのはもはやご愛嬌。
発売された1989年といえば既に35年前。当時は最先端だったはずとはいえ、ドットによる曖昧な描写や表現に、時代背景、(当時の)価値観もベースにあってこそ。これすなわち単純な年月の経過が生み出す変化は避けて通れるものではないなと思わされます。
トリックや動機の突拍子のなさ、都合の良さも同様にありますが、過度にリアリティを求めても仕方がないといいますか…フィクションとしてこれくらいのありえなさの方がエンタメに寄ってくれていると個人的には思えました。
いずれにしても「消えた後継者」を遊んでいたからこそ受け入れられたし、結論としてはオリジナル版を忠実に継承している点を良さとして捉え、うま味として昇華。
このあたりを含め個人的には発売順(「消えた後継者」→「後ろに立つ少女」)で遊ぶ方をオススメしておきます。「笑み男」は「消えた後継者」より後の話(の様子)なので、さらに時系列が乱れてしまいますが、2作を遊んだ限りは制作側も発売順前提の作りに感じました。
前回も紹介しましたが、今回もSwitchのパッケージ版で遊びました。このパッケージ版が現在は手に入れづらい状況のようですが、ダウンロード版はそれぞれ単体で購入可能です。
では、次は「笑み男」の感想にてまたお会いしましょう!(まだ開けてもないんですけどね…)
© 1988, 2021 Nintendo / TOSE CO., LTD. / MAGES. © 1989, 1998, 2021 Nintendo / MAGES.