【FF7書籍】「ファイナルファンタジーVII外伝 タークス~ザ・キッズ・アー・オールライト~」/読後感想文

【FF7書籍】「ファイナルファンタジーVII外伝 タークス~ザ・キッズ・アー・オールライト~」/読後感想文

今回は「FF7R」で新キャラクターとして登場したキャラクターたちが活躍する小説「ファイナルファンタジーVII外伝 タークス~ザ・キッズ・アー・オールライト~」を読んだので、本編の核心的ネタバレをしない程度に感想を書きます。

小説のネタバレには気を付けていますが、そもそもが「FF7」本編の2年後のお話のため、「FF7」プレイ済として「FF7」ネタを交えて書いています!
※最後に1ネタだけ、ガッツリネタバレしています。記載していますが閲覧にご注意を!

目次

あらすじ

レノ&ルード。誰からも愛される神羅カンパニーを再建!

「あの日」から2年。荒野に生まれた街、エッジで仲間たちと探偵社を営むふたりの若者エヴァン&キリエ。彼らを巡りタークスのレノ&ルード、クラウド&ティファ他ファイナルファンタジーVIIの英雄たちが再び物語を彩る!

《ライフストリーム読みます》そんな触れ込みで商売をしていたミレイユ探偵社の若者たち。彼らはある事件をきっかけに神羅カンパニー総務部調査課、通称タークスと接触してしまう。

引用:「e-STORE」製品紹介より

より詳細に…

あらすじに更に追記すると、「FF7」から2年後を描いた映像作品「FINAL FANTASY VII ADVENT CHILDREN」…アドベントチルドレン(以下:AC)と”同時系を別角度(別人物の視点)で見る(読む)”内容となっています。

「AC」には、この小説における主人公のエヴァンヒロインのキリエは登場していませんが、彼らがどう「AC」に関わっているのかは読んでからのお楽しみです(重要な役どころです)。

「AC」は2005年(コンプリート版は2009年)、小説は2011年に発表されているため、今作は後付けの要素、「AC」ありきの物語ではありますが、「AC」との相違点はなく彼らの物語(小説内の行動)によって「AC」に繋がる出来事、主にタークスやカダージュの動きについて「AC」内で分かりづらかったこと、不明瞭だった部分を補完することができます。

登場人物

小説内に出てくる(主な)人物達をストーリーとともにざっくりと紹介します。

エヴァン

今作の主人公「ミレイユ探偵社」のメンバーのひとりで19歳の青年・エヴァン。

表紙の人物こそが彼であり、なぜ突然出てきた彼が主人公なのか?という点は本編の序盤で語られます(表紙で察する人もいるのかも…?)。

彼の幼少期の思い出から物語は始まり、「ミレイユ探偵社」に来た依頼、エヴァンの母親探し、タークスとの関わりが物語の大筋となっていて、その過程で「AC」に繋がる要素や要因が生まれ、語られていきます。

正直なところ彼の何も考えてなさそうな行き当たりばったり感が物語をややこしく、もたもた長引かせてしまっている節もあるのですが、英雄でも戦士でもないただの街の住人、19歳の生き方としてこういうものだよな。と思うことは出来ますし、彼の物語として綺麗にまとまっていた印象です。

ミレイユ探偵社の面々

エヴァンについてはリメイク版でも登場しておらず、現時点では(おそらく)この小説でのみの存在です。

リメイク版が出るまではこの後紹介するキリエやレズリーもこの小説以外で登場しておらず、「FF7」の派生作品群「COMPILATION of FINAL FANTASY VII」にも含まれていない作品で、タイトルに”外伝”とまで付いてはいますが、今回リメイク版で「FF7」に関与する物語世界に取り込まれた形です。

キリエ

リメイク版で登場した、キリエ(キリエ・カナン)。

リメイク版で17歳だった彼女は本作では19歳となり、「ミレイユ探偵社」で生計を立て、真っ当な?生き方をしようとしています。

なにより彼女は本作ではヒロインという扱いで、「ミレイユ探偵社」の面々は新しく出来た街・エッジでティファが営む「セブンスヘブン」にたむろしているのですが、エヴァンがティファと話すことに嫉妬しまくったりします。

エヴァンのために家業をやめようとしていたり、リメイク版の後に読むと彼女の成長を(まさかの恋によって)感じることが出来ます。2年後の彼女を脳内補完するだけでも楽しかったですし、ほんの少しですが彼女の祖母スラムエンジェルのその後についても書かれていました。

彼女の役割

キリエは「FF7」や「AC」に(大きく)関わっている部分があり、エアリスやカダージュとの接点が彼女にあることが本作を読むことでわかります。

内容については真相に触れかねないのでご自身で確認を!

レズリー

レズリーも「ミレイユ探偵社」のメンバーの1人(キリエの昔なじみ)として登場します。

記載はありませんでしたが彼はリメイク版で18歳だったので、今作では20歳(おそらく)となっているでしょう。

リメイク版では恨みに傾倒しコルネオを追っていたことをやめ、恋人を探しにいくとクラウドたちと別れた彼ですが、(リメイク版の)あの後どうなったのか、2年後の彼は何をしているのか、今どういう人生を歩んでいるのかが分かります。2年後の彼は短髪らしい…。見てみたいなぁ…。

リメイク版で意味あるの?と思ったシーン

「FF7R」内で”コルネオの館でクラウドがコルネオに写真を撮られるシーン”を皆さん覚えていらっしゃいますか?

これはリメイク版で追加されたシーンであり、筆者は「こんな(不快な)描写わざわざ追加する意味あるの?」と思ったりしたのですが、まさかの?この小説内でコルネオの行動の答え(繋がり)が出てきます。

その辺の整合性も合わせてくるとは中々やるなぁ~(笑)

神羅カンパニー

エヴァンとキリエ以外で同等に出番が多いのが神羅カンパニー総務部調査課タークスの面々。

本作では特にレノの見せ場(意外と?情に厚い)と、イリーナの出番が多かったように感じました。

もちろんツォンやルードも含め、タークス4人それぞれの個性が生かされている場面やセリフがあり、ルーファウス神羅も含め、タークスファンも楽しめる内容だと思います。

イリーナ

イリーナに至ってはあまり良い役回りではないのですが、彼女の猪突猛進具合がうまく描かれていてこれはこれで良かったと思います。

2年経ってもまぁ…(笑)とは思いましたが、それもまたイリーナの正義感の塊のような骨太さ、彼女の良さだよなと、この信念や熱血ぶりが2年で変わるのも変ですしね。

あとイリーナが「アンダージュノンのコスタ・デル・ソル風のビーチハウスで麦わら帽に白いワンピース姿」とか、この1行でニヤニヤ出来る筆者っておかしいでしょうか?(笑)

イリーナはリメイク版の続編では早々に登場してくれるはずですが、リメイク版の造形でイリーナが登場したら、顔+ギャップ満載の性格(根性精神で、ドジで、おしゃべり)にコアなファンが増えそうじゃないですか?イリーナ派が出てくる日もそう遠くないんじゃないかな~。

おなじみの人々

「ミレイユ探偵社」と「タークス」の関わりが本作の大筋となっており、「FF7」の主要キャラクターたちは申し訳程度にサラッと登場です(なんとか物語に接点を作った感じです)。

クラウドですら「こんなもの?」レベルですが、あくまで”外伝”ですから、そんなこと読む前から分かってるでしょ?って話であって。別に主要キャラの登場に関しては(今作では)どうこういうことはありません。量の問題でもないですからね。

ティファ

そんな中でも印象深かった人物をあげるとすれば、ティファです。

エヴァンがあるきっかけを追ってニブルヘイムを目指すことになるのですが、その相談という形でティファとのやり取りがあり、ティファが(「FF7」内の)旅を懐古するような発言があります。

時系列的にクラウドは家出中(クラウドと上手くいっていない状態)のため、思い出にふけるティファの姿を脳内で再生して、いたたまれない気持ちになっちゃったりしましたが、ほんの少しとはいえ(公式的に)キャラクターたちの側面を見る(読む)楽しさはありますよね。

ボーナストラック的な…

本作のラストでは「AC」でのED後、教会帰りと思われるクラウドご一行とエヴァン&キリエのやり取りがほんの少しですが描かれています。

しかもここだけのために読む価値がある!と思わせるような”未来”を感じられる内容でした。

興味のある方は是非。

主要キャラクターたちの2年間が知りたいのであれば…

主要キャラクターたちそれぞれの2年間、「AC」で彼らが再会(全員集合)するまでの経緯については、こちらも小説ですが、「On the Way to a Smile FINAL FANTASY VII」(2009年刊)を読みましょう。

ちなみに「On the Way to a Smile ファイナルファンタジーVII」は「COMPILATION of FINAL FANTASY VII」の第5弾扱いになってます。

★「On the Way to a Smile FINAL FANTASY VII」の感想はこちら(↓)

最後にひとつだけ…

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※以下ネタバレを含みます※

小説内では「FF7(FF7R)」から2年後も”クラウドとコルネオが繋がっていた”ことが明かされますが、同時に”レズリーが2年間コルネオに辿り着いていなかった”ことも分かります。

ここはもう追おうとしていなかったのかもしれないと解釈できていましたが、本作でエヴァンによって偶然にコルネオの居所を知ることになりレズリーは(盛大な)仕返しを決行します。

筆者は小説を読んだ際に、(リメイク版でクラウドとレズリーの絡みがあったことで)レズリーのコルネオへの目的(恨み)も知っていたのに、クラウドはコルネオの所在を教えてあげていないのかぁ…薄情な奴だな…。と、ここはリメイク版との違和感が生まれてしまっているぞ!思ったんです(まぁ世界線が違う=「FF7R」→本作に繋がっていないと片付けることもできますが)。

ただ色々整理してみるといかようにも消化することは出来ました。

コルネオはビジネスパートナー

クラウドはコルネオの弱みを握っており、入手困難なガソリンを手に入れさせるなど良いように使えているから、いなくなる(始末される)のは困る=だからレズリーには教えない。

クラウドはレズリーと再会していない

「セブンスヘブン」に「ミレイユ探偵社」の面々がたむろしていることからクラウドはレズリーの現状を知っているのでは?と思ったのですが、作中でクラウドとエヴァンは面識がなかったので、クラウドは2年後のレズリーを知らない(再会していない)のかもしれません。

・・・ティファが言いそうではありますが家出中と絡んでいる可能性もありますね。

エヴァンを通じて教えた

遠回し&洒落腐っていますが、作中エヴァンを通じて教えたという考えも否定する要因がないのでアリかも?と思いました(クラウドならこういう遠まわしなことをしそうな気もしちゃうんですよね)。

もう終わったこと

・(レズリーの現状をクラウドが知っているかは不明ですが)今更過去を蒸し返すようなことではない、蒸し返す必要はないと思っている。

・ティファにすらコルネオの存在(生存)を話していないので、(嫌な)思い出を今さら掘り起こすようなことをしたくない。

・クラウドはもともとなんでもかんでも喋るようなタイプじゃないでしょう。

まぁなにはともあれ、クラウドの優しさと受け止めようぜ!!!ということで。

興味のある方は読んで損はありません、ぜひ。

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[FINAL FANTASY VII]
Copyright (C) 1997, 2019 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.

[FINAL FANTASY VII REMAKE]
© 1997, 2020 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
CHARACTER DESIGN: TETSUYA NOMURA / ROBERTO FERRARI
LOGO ILLUSTRATION:©1997 YOSHITAKA AMANO

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