【最速クリアレビュー】「Trek to Yomi/黄泉への旅路」/クリア後感想&レビュー

Steam徘徊中にトレーラーで惹かれた1作「Trek to Yomi/黄泉への旅路」。

発売日に購入し翌日速攻でクリアした(してしまった)ので感想&レビュー記事を書いていきます。

以下、本作のSteam版のスクリーンショットを掲載しています。物語における核心的なネタバレは行っていませんが、全編を通しての感想となっているため、未プレイの方は閲覧の判断にご注意ください。
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「Trek to Yomi」とは…?

「Trek to Yomi/黄泉への旅路」は、Devolver Digital(デボルバー・デジタル)より2022年5月5日にリリース(配信開始)されたアメリカ発の「時代劇アクションゲーム」

「侍」が直面する誓いと生き方/死生観を問われる1作です。

全編日本語音声(字幕もあり)で、言い回しの凝り方を含めて非常に力の入りようを感じます。

本作はダウンロード専用タイトル(パッケージ版の発売未定)となっており、対応機種はSteam、Xbox、PS4/5。定価は2,050円(Steam)ですが各ハードで価格は微妙に異なります。

CEROは18歳以上対象の[Z]。手加減なしの抜刀と相応に(想像しうるあれこれが)乱れ飛びます。

筆者はその系統は得意ではないのですが、本作の特徴の一つ「モノクロ」であることから、通常の[Z]よりは直接受け止めない点で多少はマイルドではあるかなと思いました(それでも[Z]ですが)。

あらすじ

舞台は侍のいる時代の日本。

(主人公の)大輝(ヒロキ)は幼き頃に賊の襲撃によって失った剣術の師匠・三十郎との誓いを立て、あらゆる危険から故郷と愛する人々を守ることを決意します。

歳を重ね、三十郎の娘である愛子と結婚し故郷の里の安寧を願う大輝の前に現れたのは、幼き頃に戦った賊の頭領・影炎(カゲロウ)。

再び脅かされる日常の危機に立ち向かう大輝は”生と死を超えた黄泉への旅路”へと誘われることになります。

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「Trek to Yomi」のシステム

戦闘

戦闘は横スクロール移動が中心の2D/剣戟アクションゲームとなっており、装備は刀のみ。サブ武器(飛び道具)として、手裏剣/弓矢/大筒が順に解放(追加)されていきます。

本作は「探索」「戦闘」「ムービー」の3つのパートに分かれていますが、ステータスは「探索」で各所に隠された/置かれたアイテム(ツボ?)を見つけることで「体力(HP)」「気力(スタミナ)」ゲージが増加します。逆に言うと強化要素はそれだけです。

戦闘における基本の考え方は「パリィ(受け流し)」を主としたカウンターで、隙を突く我慢勝負ともいえる攻守のバランスを考慮する様は重厚に感じるものの、「ゲーム(娯楽作品)」という視点では全体的に(派手さのない)シンプルなシステムと演出に多少”地味”な印象も抱きます。

ただ見方を変えればリアルで滑らかな立ち廻りを楽しむことが出来るとも言え、ここは個人の好みが分かれる点のため購入検討材料の一つとしてもらえるといいかなと思います。

難易度

難易度はスタート時に3段階(歌舞伎/武士道/浪人)の中から選択で、クリア後はさらに高難度の4個目「剣聖」が解放されます。

筆者は(散々言っていますが)低難易度設定でブイブイ言わせたいので(笑)、今回は「歌舞伎」でプレイしました。

「歌舞伎」の説明としては”物語を楽しみたい方(向け)”との記載で、詰まるところもなく、スタイリッシュにイキった立ち回りを楽しむことが出来ました(ボス戦だけ2回ボコられましたが…)。

バトルにおける難易度もそうですが、風景や構図など細部を含めた演出的視点で本作楽しみたい場合においてもバトルに余裕を持てる「歌舞伎」がオススメです。

操作性についてネガティブな意見がレビューサイトなどで見受けられますが、コントローラーで遊んだ筆者としては(難易度もあるかもですが)悪い印象は抱かなかったです(安いコントローラー使ってます)。

セーブと周回

セーブはゲーム進行中に定期的に出現するオブジェクトの「祠」に触れるたびに体力回復とともに行われます。

ただ本作はセーブスロット的な概念がなく「祠」がチェックポイントとしての機能=「祠」が上書きされての進行=直近のポイント(祠)のみの記録=戻りたいところに戻ることは出来ません。

ライフが無くなった場合のゲームオーバーは直前のポイント(祠)からペナルティなしで一瞬で再開とお手軽ではあるものの、「探索」をやり直したい、ムービを見直したいといった過去の分岐点に戻るということが出来ません

さらにショッキングだったのは、クリアすると”クリアした”ということ以外全てリセットで「はじめから」になります。

ステータスはもちろんのこと、物品コレクションである「収集物」や習得した「技」も引き継がれず”また1から”になります。周回においてムービーがスキップできること(時短可能)以外は「毎回はじめから」が実績解除を目指す人にとって面倒な気がしてなりません。

ボリュームとロード

筆者のプレイタイムは1エンディング到達で約5時間。

本作は選択肢と実績/トロフィーから(おそらく)3種類のマルチエンディングとなっており、分岐は終盤の明確な選択に紐づくと思われます。すなわち3周すればすべての物語(エンディング)を味わうことが出来るのではないかと。

チャプターは7章まであり、各章に入る度にロードが数秒かかりますがそれ以外で動作がもっさりすることもなく、「探索」「戦闘」「ムービー」の切り替わりも滑らかで没入感が削がれることもありませんでした。

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「Trek to Yomi」の感想

本作はモノクロであることに始まり、本編(特に前半部分)は随所に黒澤(黒澤明)監督の「サムライ作品」へのオマージュ、リスペクトが滲み出ています。

「じゃあどの辺が?」って話ですが、(個人的に感じた)細かい部分で言うと…「孤高の侍」というキャラクターの存在感、建物や天気も生かしたダイナミックな演出、「1対1(一騎打ち)」へのこだわり、豊富なカメラワークといった映画味溢れる雰囲気が印象的です(スクショを取る手が止まらない)。

特に本作が海外制作であることも評価に値するというか…里全体の位置関係や家屋の構造、オブジェクトや仕掛け、物品のコレクションなど、細かいところでも時代と日本文化を感じ取れる丁寧な仕上がりです。

しいて言えば里に立ち並ぶ店のフォントが「違うなぁ…」と思うのと、「”鰹節”の店多すぎでしょ(笑)」ということくらい。

日本人としては上から目線の「違和感がない」という回答になってしまうものの、海外のプレイヤーへ日本文化を味わえるとして安心してオススメすることが出来る、制作されたことを嬉しく誇らしく思える「COOL」な1作でもあります。

本作のクリエイターLeonard Menchiari氏のインタビュー記事が興味深かったので貼っておきます。

そして中盤(後半)からはタイトルにもあるように「黄泉(死者の世界)」を彷徨うという幻覚や精神世界といった要素が強くなり、前半の時代的リアリティとは打って変わって妖魔や霊的な非現実要素に包まれていきます。

これすなわち前半と後半で好みや評価が分かれそうな気もします。

「黄泉」では大輝自身が斬り伏せた賊や、守れなかった里の民と対峙することになり、大輝に向けられる非難の嵐…完全に現世と隔離された場所として一気に物語全体の雰囲気が変わります。

ただ一方的とも言える精神への攻撃を受ける中でも、大輝はプレイヤーと同じ温度感で狼狽え、時には言い分も嘆き、物語としては大輝の選択を見届けるための問題提起、問いかけであったと最後に理解することが出来ます。

唯一、最初から最後まで陰鬱とした物語ゆえに仕方ないとはいえ、背景に流れ続ける「罵倒」「泣き喚き」「呻き声」を延々聞いているような状況は結構滅入りましたね…。

大輝の決断

大輝(プレイヤー)は最後に3つの選択肢の中から己の決断を問われます。

正義や悪といった大義名分ではなく、何を”1番(中心)”として生きるかという「個(個人)の選択」というのが非常に印象的でした。

「愛(愛を胸に)」…愛する妻・愛子と共に生きる。
「義(誓いを胸に)」…三十郎と交わした、里と民のために生きる。
「憎悪(復讐を胸に)」…憎しみの根源である影炎(カゲロウ)への復讐に生きる。

この選択肢の意義を取っても、(制作側の)日本への造詣の深さを感じられるのではないでしょうか?

選んだ結末は是非ご自身の目で確認を…。

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最後に…

「Trek to Yomi/黄泉への旅路」、値段相応のボリュームにあと一歩痒いところに手が届かない部分、控えめなやり込み要素ではあれど、”インディーゲームらしい”コンセプトを重視した趣味嗜好爆発の雰囲気作品、良ゲーでした。

スクリーンショットから受ける雰囲気が好き!掴まれた!って方はプレイして損のない1作です!

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