【感想&レビュー】「DESIRE remaster ver.(デザイア リマスターバージョン)」~背徳の螺旋を知った時、この世界とあなたは繋がる~(※ネタバレ少しあり)

【感想&レビュー】「DESIRE remaster ver.(デザイア リマスターバージョン)」~背徳の螺旋を知った時、この世界とあなたは繋がる~(※ネタバレ少しあり)

今回紹介するのはSwitchで遊んだばかり(クリアしたて)の「DESIRE remaster ver.」です。

本編ストーリーに対する核心的なネタバレはしていません。ただしキャラクターや展開など部分的な話、スクリーンショットを掲載しているため、閲覧の判断には十分ご注意ください。

目次

「DESIRE remaster ver.」とは?

本作は1994年のPCゲーム[i]アダルトゲーム「DESIRE 背徳の螺旋」を皮切りに、1997年にセガサターン版として倫理規定を網羅した設定、ストーリー、キャラデザなど変更を加えて「DESIRE」とタイトルも変えて発売されています。その後PS2にも移植されています。

そしてセガサターン版発売から20年後の2017年、デジタルリマスター版としてPSVitaとWindowsで発売されたのが「DESIRE remaster ver.(デザイア リマスターバージョン)」です。

CEROは15歳以上対象の[C]。

今回は2019年12月に発売された「DESIRE remaster ver.」のNintendo Switch版をダウンロードプレイしました(内容はPSVita、Windows版と同じです)。

価格は年末年始セールで約600円(定価1,980円)でした。ちなみに定期的にセールで見かける印象です。

プレイ歴

筆者はPC版含め今回が「DESIRE」初プレイでした。

今作と同じ菅野(剣乃)ひろゆき氏の携わった作品で言えば「この世の果てで恋を唄う少女YU-NO」だけはプレイ済み。

発売されたタイミングでの順番は逆ですが「DESIRE」をプレイ中に「YU-NO」を思い出すシーン[ii]時空を超える展開や、異世界の生活パートの存在があったり。それらは「DESIRE」から「YU-NO」へ継承された要素でもあると言えるのかもしれません。

ちなみに…「YU-NO」は達成度100パーセントになるまで味わい尽くしました(@2017)筆者は澪推しですが、魅力的な女の子がたくさん登場する「YU-NO」は「DESIRE」クリア後に是非。

ストーリー

タイトルにもなっている【DESIRE(デザイア)】とは…孤島に隔離された研究施設。

この閉塞した島(施設)で行われている研究を取材(調査/解明)するためにやってきた新聞記者のアルバートの来訪を起点に、彼の恋人であるマコトが働く【DESIRE(デザイア)】を中心に巻き起こる怪奇な出来事。

さらに正体不明の少女ティーナの出現とともにさらに深まる謎、彼らの行動を辿ることで施設の真の姿を追っていく物語です。

システム面

マルチサイトシステム

ゲームジャンルとしてはアドベンチャー(ADV)ですが、今作の個性はなんといっても同時系列を複数の人物視点でそれぞれに見る「マルチサイトシステム」の部分です。

今作は3人の視点を順番に辿りながら物語の核心(真相)へ迫っていきます。

①の視点(アルバート編)
…外部からの視点/物語の全体像(概要説明・謎の提示)

②の視点(マコト編)
…内部からの視点(①視点の出来事の補完)

③の視点(マルチナ編) 
…真相

さらに最後には①~③に対するボーナストラック的な「???(短いムービー)」が準備されています。

主人公視点として操作するのは①:アルバート編と、②:マコト編の2編。

③:マルチナ編は読み物(答え合わせ)です。

クリア後画面/再び遊ぶ際はDAYの選択も可能

ただ「マルチサイトシステム」と一言にいっても、作品によっては2人以上の複数の視点(登場人物)があったり[iii]「街 ~運命の交差点~」「428 封鎖された渋谷で」など、視点をリアルタイムに切り替えて交互に物語を進行させる[iv]「EVE」シリーズようなものなど様々です。

しかし、いずれも(準備された)全視点を見ることで物語の全容(真相)がわかる点と線が繋がるといった、そこまでの経緯や展開も含めて楽しめるのが「マルチサイトシステム」の魅力だと筆者は思います。

コマンド選択式

進行はコマンド選択、かつ手当たり次第のザッピング方式です。

ストーリーは一本道で展開やエンドが分岐しないためボタン連打していれば物語が進みます。もはや読み物です。

しかし攻略サイトを見たり、フラグ管理をする必要がなく、周回要素もないため単純に物語だけを楽しむ(物語に没頭できる)という点で魅力でもあります。まぁそれはゲームとしての(ゲームを遊ぶ)魅力なのか?というツッコミはさておき…(笑)

ヒントモード

こちらは教授秘書のレイコさん

さらに、このコマンド選択の便利機能(お助け機能)としてヒントモード[v]SYSTEMで(ON・OFF)設定があり、次に選ぶ/調べるコマンドを点滅で教えてくれます。

時間的に最短クリアしたい(寄り道なしで読み進めたい)人には便利な機能、よりストーリーへの没入度が上がる仕様です。

その他システム

表示速度設定、既読設定、スキップ設定、音声調整など読み物ゲーとしてのシステム面での手間要素や不満点はなく、進行中に何か引っかかるようなところもありませんでした。

セーブスロット数も100個と本作のストーリーボリュームにしては多めです(筆者はセーブ毎にスロットを変えていましたが50個も使いませんでした)。

次ページ:全体的な感想

References
i アダルトゲーム
ii 時空を超える展開や、異世界の生活パートの存在
iii 「街 ~運命の交差点~」「428 封鎖された渋谷で」など
iv 「EVE」シリーズ
v SYSTEMで(ON・OFF)設定
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