テイルズ的要素
スキット
体験版プレイ時も触れた、テイルズの象徴ともいえるコミック調の会話劇/スキットについては(単純に)多さを褒めるべき充実っぷり(かなりの量があります)。
ここで語られる(描かれる)会話&エピソードによって、日常生活(の深堀り)やキャラクターの性格(趣味嗜好)を知れたり何気ないやり取りが楽しめます。
唯一お門違いなモヤっとポイントとしては、初訪問のエリアで一気に3連続とかスキットの通知がくると疲れるな…って思ってしまったり(笑)
後で見れば(好きな時に見れば)良いだけの話なんですが、その時の感情であったり、その場の大事なことをスキットで(でも)追従される印象もあり(実際補足とかここでしたりするので…)、後半は特に説明に説明が上乗せされる(説明に対する疑問に対する答えみたいな)ことが多くって、「あぁまたスキットか…でも今見とかなきゃ…」的な微妙なストレスがありました。
あと、お気に入りのスキットを見直したい場合、量が多すぎてどれがどれだかタイトル(文字)リストで分からないのと、スクロールするだけで疲れるっていうのは幸せな悩みですよね…(笑)
アニメーション
こちらもテイルズ的要素の一つであるアニメーションは今回も健在。作中時々にアニメーションパートが入ります。
こちらについては今回「ufotable(ユーフォーテーブル)」制作であることが売りになっています(「鬼滅の刃」のアニメを制作していることで有名みたいです)。
デザインについては完全に好みの領域なので、そこはどうこう言いたいことはないです。
単純にこの(お金のかかりそうな)あえての表現を準備するのが凄いな…流石はビックタイトルだな…って思いました、はい(笑)
キャラクター
登場キャラクターについて、まずプレイヤーが自らを重ねることになる主人公/アルフェンは若干熱くクサいところはありつつも、王道の芯の通った好感の持てる人物でした。
仲間キャラは作中で順に増えていきますが(最終的に6人)、本作のテーマの一つでもある人種の対立を象徴するように両者(両種族)が存在しており、訪問先や人種に絡んだやり取りが出る度にプレイヤー自身も立ち位置に悩まされます。
ただ両者(両種族)がいるからこそ複数の異なる視点を存分に味わう(悩む)という言い方も出来ると思います。
バトル要因としてもそれぞれ戦闘スタイルと特性を含めて個性があり、パーティーという大枠で見ても年齢差や構成など良いバランスだったと思います(ここも好みが出るので色々な意見があるとは思いますが)。
主要メンバーはストーリーにおいて受ける印象と、日常(旅)生活を過ごす中での印象はやや異なっており、登場から仲間として加入するまでのきっかけは基本的にネガティブなものが多いため、入りから印象の良い人物はあまりいませんし、その部分(それぞれの山場イベント/エピソード)がネタにされがちかなところはあります。
言い方を変えれば、仲間に加入しアルフェンたちと冒険をすること(時間が経つにつれて)の過程(変化)がスキットなどの日常描写で描かれていたという受け取り方が出来ます。
結果的に後半は(いい意味で)印象が変わっていたといえますし、負を感じさせるバックボーンは「世界の運命を変えること(目的)」に重きを置くことで(必然だったこととして)処理されていたように思います。
一つだけ気になったこと
ただひとつだけ引っかかったのは「ダナ人」であるリンウェルが抱いている「レナ(レナ人)嫌い」の引っ張り。
対立構造としてリンウェル(ダナ人)が「レナ人」に異常な嫌悪を抱いている理由に理解は出来ており、彼女の年齢(14歳)も考慮して「こういう子もいる(視点もある)」と思えていのですが、本人が自分の苦悩を(ある程度)受け入れた/乗り越えた後になってからのクエスト内で序盤の性格に舞い戻ったかのような、嫌みでも言っていいことと悪いことの分別が付いていない明らかに不謹慎な発言があります。
そしてこれが自分が変わるきっかけになったはずである一緒に旅をするメンバーに投げつけるというのがなんだかなぁと…。
彼女の恨みの根源であったアウメドラへの攻撃は(制作側が意図的に)回避させたのに、それ以上とも受け取れる言葉による暴力かつ、それを仲間に行うというのに筆者は大分ダメージを受けまして…なぜクエストで行うのかなど、そもそもあえてこのエピソードを描く必要あったのかが甚だ疑問でした。
リンウェルが最後に謝ったから良いじゃんということではなく、言ってしまったこととして(一生)遺恨を残すのがモヤモヤしてしょうがないというか。
彼女に対する印象が非常に悪くなるエピソードでしたし、クエストを実施するタイミングが遅ければ遅いほど(まだ引っ張ってんの?と)不快感が増すかと。
とはいえ、たった一つの出来事を個人的に大きい声で言っているだけで、このクエスト以外はリンウェル大好きです(愚痴は長くなりがち)。
恋愛要素
テイルズシリーズでは結構多い恋愛要素(描写)について、今作はシリーズ内でも濃い方に分類されるのではないかなと感じました。
PS4の作品が全体的に恋愛要素のあるRPGって少ない(そこを推す作品が減った)印象ですが、本作はJRPGらしい王道なもので、男女3人づつ3組共に濃度は違えどカップリング的要素を持たせています。
アルフェンと本作のヒロインであるシオンに関しては起点や波(起伏)はほとんどなく初めからお互いに好感度が高い状態で、アルフェンは主人公(男)にありがちな鈍感野郎ではなく、常にシオンを恋愛対象として意識してます。
2人の関係に奥ゆかしさは特になく、シオンの”荊(という触れられない設定)”が2人の進展(接触)を制止しており(むしろしてくれており)「荊がなければこいつらは…」と、リア充爆発しろ!的な(笑)やり取りがたくさん。
ロウ×リンウェルは年齢相応の甘酸っぱさなど、RPGに恋愛要素を求める方(それが好きな方)はヤキモキ具合も含め、お腹いっぱいになれることでしょう。
個人的にはゲームにおける恋愛要素は過程を楽しみたいというか…好きになるまでがおいしいよな!なんて思っているタイプなので、本作はそこをすっ飛ばしてバチバチに見せつけてきていて、お花畑脳感がぶっちゃけ結構きついなぁ…とも思ったり(笑)
筆者が年齢を重ねたせいもあるのでしょうが、メンバー公認感が強く、みんなの前でいちゃこかれる→そこに茶々が入るという展開(フクロウのアテレコイベント)なんかは「ちょっとこっぱずかしくて見てらんないよぉ~」とも思っちゃいました。
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