【感想&レビュー】「FINAL FANTASY VII REMAKE」~23年の時を経て生まれた神作のリメイク版はさらに世界を圧倒する~(※ネタバレ少しあり)

【感想&レビュー】「FINAL FANTASY VII REMAKE」~23年の時を経て生まれた神作のリメイク版はさらに世界を圧倒する~(※ネタバレ少しあり)

目次

クリア後感想/グラフィック

オリジナル版である「FF7」をやったことがある人も、ない人も今作の圧倒的グラフィック力にゲームの進化、時代の最先端技術に感嘆することでしょう。23年分のゲームの進化を存分に味わうことが出来ます。

特に「FF7R」を遊びたくて、久しぶりにゲームをやるぞ!って方は度肝を抜かれるレベルかと。

細部への作り込み

本作でいう細部とは…各キャラの毛穴の一つ一つ、シミそばかす、髭の剃り残し、産毛すら見えます。なびく髪の毛(毛先感)や表情のかすかな動き(ドヤ顔、ほんの少し上げた口角、困り眉)、些細な挙動(握りしめた拳の震え)など、もはやリアルな人物を見ているようです。

この文面を書いてて、細部見過ぎかな?書くと気持ち悪いかな?なんて思っていたのですが、しょこたんが実況プレイで「クラウドの腕にほくろがあるんだよ~!」と盛り上がっていて、なんだか凄く安心しました。みんな同じ気持ちのようだ(笑)

ちなみに、しょこたんの実況ではコルネオの館で”ぷう”の屏風でエアリスとティファと記念撮影をする(しかもめっちゃ時間かけて)や、ティファがはしごで登っているところを下から眺める場面で停止してご飯を食べるなど、奇行を見せつけてくれていましたよ(笑)

「FF7」をやったことがある人の懐かしさスイッチが入る場面はめちゃくちゃ面白いなぁとしょこたんや牛沢氏の実況を見て思いました。

”あの”街並み、”あの”場所

人物だけでなく街並みも「FF7」を網羅してあり、序盤の七番街の時点で声を上げたくなります。

ティファが切り盛りするバー「セブンスヘブン」、自警団の待機場所(初心者の館)、武器屋の再現度の高さなど懐かしさをバシバシ刺激され鳥肌ものです。

この点に関しては七番街どころの話ではなく、最後までどこもかしこも、見たことのある建物や配置を感じる場所がいたるところで出てきましたし、再現プラス伍番街スラムのような違和感のないボリュームアップも良かったです。

風景美

風景や距離感の演出も素晴らしく、パラシュートでの降下や崩壊したプレートを登っていく際に見える眼下の景色に感動を覚えると同時に高所恐怖症の筆者はビビり倒してしまうリアルさでした。

星空(給水塔でのやりとり)や、夕焼けの表現は哀愁漂いまくりで、そこで行われるやり取りを含めて”狙ってる感”にまんまと撃ち抜かれる程です。それだけの威力を持ち合わせたグラフィック力に脱帽。

★今作の「給水塔の約束」の演出が好き過ぎて記事を書きました(↓)

モブの存在感

場面ごとにその場に居合わせた展開に沿った会話をモブの人々もしており、たとえばティフィやエアリスを連れて歩いていると冷やかしや妬みを発する男がいて優越感に浸れます(笑)

他にもクラウドに対してだけではなく、サブキャラ界の勘違いスター・ジョニーが街を出て行った疑惑が出た際はそんな彼を心配して(ネタにして)会話をする街の人々がいたり。そこに生きている街並みと、生活する人々(モブ)の息遣いが聞こえます。

クエストの進行次第でクラウドに話しかける人々(とセリフ)に違いがあったり、ウォールマーケットの伝説の女装イベントでは衣装(ドレス)に反応したセリフだったりと起こる出来事に対する街の人々の会話(ガヤの声)を聞くだけでも楽しくて飽きません。反応が知りたくて街をうろうろしちゃうレベルです。

グラフィックが凄すぎて残念な面もある

※今から書くのは批判ではなくネタです※

23年前のポリゴンの世界をリアルに忠実に映し出していることを評価すべきなのですが、リアルすぎるが故に当時気になりもしなかったところに引っかかる場面もちらほらとみられます。

何処よりも何よりも気になるのは、主要キャラたちの滲み出る武装感

物語のメインとなるミッドガルという都市ではスラム街こそあれ、我々が想像しうる至って当たり前の生活が営まれているため、その中において”刃先むき出しで大剣を背負っている”、”右手がガトリング”、”グローブを付けてバーを切り盛りをしている”操作キャラたちがどう見ても浮いています。

「アバランチ(武装集団)」とバレないようにと電車内でメンバーがバラけて行動をする場面があるのですが、固まろうがバラけようが暴動後に電車で武装感むき出しの君たちはどう考えてもそうだろ…(笑)ってなります。そうじゃなくても不審者にしか見えません。結果、世間様にアバランチとバレてないという設定、発言、展開が非常にチープに思えてきます。

アバランチの3人(ジェシー、ビッグス、ウェッジ)すら自警団の面々や住人たちの服装とは明らかに違う武装臭を出しまくっているし、おそろいのハチマキ(布)なんかはまんまそれでしょ?ってなります。

バレットはアバランチへのバッシングとなると頭に血が上り、神羅カンパニーの社員(神羅課長)に食って掛かったりと、展開に際して「これで気づかない町の人たちバカ過ぎない?(笑)」と思うレベル。

終盤にはスーツの人だらけの神羅カンパニー本社をうろつくスラム感満載のお尋ね者の脳筋トリオ(クラウド、ティファ、バレット)。服装から前述のとおり既にヤバいのですが、そもそも数日前に神羅カンパニーによって全土に暴動を中継放送までされたにも関わらず、平気な顔で標的の社内をうろついたり、社員に話しかけるのは、バカを通り越して「もはやこれまでの展開は何だったの?」という緊張感のなさにちょっと笑えるほどでした。

ただこの件に関して言いたいのは、当時の限界であり、ポリゴンだから可能だったことを超リアルなグラフィックになってもやろうとした対価であり、「残念」な点として書きましたが、オリジナル版への忠実な再現を取った代償だと評価する部分でもあると思います。褒められるべき点でもあるのかもしれませんね。

クリア後感想/その他

なんでも屋クエスト

クラウドの「なんでも屋」を生かした、町のお悩み相談仕事。依頼内容はなんでも屋の名に恥じぬ多種多様さ、多すぎず少な過ぎずの数でした。

義務作業にならないような工夫もされていて、報酬目当てだとしても意欲をもって取り組める点は上手く出来ていると思います。

EXTRAクエスト(ボーナスクエスト)の存在を知ると意欲は更に増しますし、クエストに気づきやすくしてあるところにも好感が持てました。個人的には章を跨らないところも管理のしやすさからいいなぁと思った点です。

音楽

「FF7」をプレイしたことがある人ならわかる、記憶が蘇る素晴らしいメロディーたち。

テーマ曲は言わずもがな、「(FF7で)あの時、あそこで流れていた曲だ!」とすぐに思い出せる程に耳に残っている名曲たちが街の至るところから流れてきます。それらが懐かしさ補正も相まって痺れるほどに良かったですね。「FF7」プレイ当時スノボのミニゲームをやりすぎていた反動で、久しぶりに聞いた「エレキ・デ・チョコボ」が頭からしばらく離れませんでした。

「FF7」の音楽は初見者にも良さが伝わる魅力的なものが多いと思っています(言ってしまえばFFシリーズの曲全体に言えることですが…。)。

まとめ/個人的に考えたこと

初見者に対する扱いについて

今作は「FF7」経験者にも、初見者にも「FF7」の良さが感じられるものだったのではないかなと思います。

筆者の目線は経験者側からになってしまいますが、「FF7」のストーリーの核、最大の「謎/秘密」を知っていても、知らなくても双方の目線で物語を追える工夫がなされていたように感じました。

やや謎が先行し過ぎている(匂わせが強い)気もしましたが、あくまでも1作目であることを考えると伏線を散らすのは仕方がないのかなと思います。ただやはり不明瞭な点が多すぎるので、次作までの間隔が開かないことを祈るばかりです(みんな忘れちゃいそうなんで)。

正直経験者すら予期せぬ展開(追加要素)、新たな謎?があったりと(フィーラーという存在や見覚えのないシーンなど)、もはや別物語を見ているかのような、まさに”リメイク”の部分を新鮮な気持ちで楽しくプレイできました。先が気になって仕方ないですね…。

分作展開と肉付けについて

分作展開については批判と歓喜の両方の考え方(意見)があると思っています。

プレイユーザー目線で考えれば、単純に分作の分だけフルプライスで売り出されることに対して、(大筋の)ストーリーがあることから批判的な意見が少なからず出てしまうことも理解できます。ただ今作をプレイして思ったこととしては、素晴らしい「FF7」の世界をより深く、長く味わうことができたありがたみの大きさ。

たとえば「FF7」ではキャラ名はついてはいるもののその辺のサブキャラに少し毛が生えたくらいの扱い(失礼)であったアバランチの3人。彼らの物語が今作ではクローズアップされていて、個の性格やアバランチとして活動している理由など人となり知れる場面(イベント)やセリフもあることから、クラウドとの関係性が深まり、物語の重み(深み)が増し、ターニングポイントとなる場面で涙さえ誘うほどです。さらには3人との絡みでクラウドの魅力(人間味)がより一層描き足されています。

そしてこの深堀によって、アバランチの行動に対しての影響力がより広い世界で描かれていたことも印象的でした。

「FF7」では”アバランチ VS 神羅”という表面的な部分だけの視点(そこしか見せていない)だったのが、今回その抗争と無関係な市民や生活への被害にまで描写が及んでおり、「FF7」でのケットシーの印象的なセリフがより深く思い起こされました。

あくまでも今後の展開や何年経ったとしても綺麗に完結することを前提としての評価ではありますが、リメイクの存在そのものに現時点で評価や価値を下げるポイントがないです。ユーザーとしてはあと何年かかるか出るのかも分からない、”予測できない未来”に想いを馳せるだけです。ただ今作の完成度をみたらクオリティに対しては何も心配することはないと思っています。

記載されている会社名・製品名・システム名などは、各社の商標、または登録商標です。

[FINAL FANTASY VII]
Copyright (C) 1997, 2019 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.

[FINAL FANTASY VII REMAKE]
© 1997, 2020 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
CHARACTER DESIGN: TETSUYA NOMURA / ROBERTO FERRARI
LOGO ILLUSTRATION:©1997 YOSHITAKA AMANO

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